防犯カメラの映像をスマホやNASで監視していましたが、もっとコンパクトに常時監視できる方法を探していたところ、偶然「Raspberry Pi 5」を知りました。
Raspberry Pi 5(ラズベリーパイ 5)は、小型で安価でありながら高性能なシングルボードコンピューターです。
基板1枚で動作する「ミニPC」ですが、電子工作やプログラミング、IoT、サーバー、AI処理など、幅広い用途に活用できます。
名刺サイズの本体に電源、キーボード、マウス、モニターを接続すれば、一般的なデスクトップPCのように使える点が最大の魅力です。
性能です。
| CPU | 最大2.4GHz |
| GPU | VideoCore VII(グラフィック大幅UP) |
| USB | USB 3.0 ×2(高速化) |
| ストレージ | microSD or PCIe接続SSD(超高速) |
| OS | Raspberry Pi OS |
何ができるか代表的なものです。
① 普通のパソコンとして
・ウェブブラウジング・YouTube視聴・Office(LibreOffice)
② 電子工作・IoT
・センサー制御・LED・モーター制御・ロボットの頭脳
③ 防犯カメラ・見守りカメラ
・MotionEyeOS・Home Assistant
④ サーバーとして
・Webサーバー(WordPress)・NAS・VPN
メリットとしては
・小型・低価格・省電力・PCとして十分に速い・電子工作との相性がよい・学習にも実用にも使える
デメリットとしては
・高負荷で少し発熱しやすい・動画編集など重い作業には不向き・Windowsは動作が不安定(基本はLinux)
購入品
Vesiri Raspberry Pi 5 Starter Kit ¥21300
8GBボード/アクティブクーラー/PD電源アダプター/64GBカード/ABS黒色ケース/MicroHDOUTケーブル/ドライバー/カードリーダー/日本語説明書

Vesiri Raspberry Pi 5 Starter Kitでも問題なく動作しましたが、より高速化を実現するために、起動用ストレージはSDカードが一般的ですがSSDカードも使えるようにしました。
そのために必要な部品です。
Geekworm X1001 V1.1 PCIe
NVMe M.2 SSD 2280拡張ボード ¥2204

シリコンパワー SSD 256GB ¥5980
3D NAND M.2 2280 PCIe3.0×4 NVMe1.3 P34A60シリーズ
SP256GBP34A60M28

GeeekPi アルミニウムケース for Raspberry Pi 5 ¥2209
パッシブ冷却機能付き、40mm PWM ファン・銅ヒートシンク4個

周辺機器
・モニターはHDMIポート付
小型モニター 7インチ [178°全視野] 1080P IPS ミニ HDMI 液晶小型ディスプレイ(1024×600) HD
内蔵スピーカー付き HDMI VGA AVポート 防犯カメラ用モニター
DSLR/PC/DVD Raspberry Pi (ラズベリーパイ) 4/3/2 Model B 用 日本語マニュアル付き

・キーボード、マウス
コンパクトでRaspberry Pi 5にマッチしています。
ロジクール マウス キーボード セット MK245nBK 無線 ワイヤレス コンボ ソリッドブラック MK245
組み立て
アクティブクーラーの取り付け
アクティブクーラーにスプリングピンを取り付けます。

本体にサーマルパッドを貼り付けます。

本体にスプリングピンを押し込んでアクティブクーラーを取り付けます。
本体のFANコネクタにアクティブクーラーのコネクタを差し込みます。

これでSDカードにOSをインストールすれば起動します。
より高速化を実現するために、起動用ストレージをSDカードからSSDに変更するために拡張ボード、SSDを取り付けます。
拡張ボードの取り付け
スタンドの取り付け
SSD拡張ボードをビスで固定し、PCIe FFCケーブルを拡張ボードに取り付け


拡張ボードにSSDを取り付けてビスで固定

OSのインストール
Raspberry Pi Imagerのダウンロードとインストール
ラズベリーパイのOSをmicroSDカード、又はSSDカードに書き込みを行う専用のソフトとして、Raspberry Pi Imagerというソフトがあります。
このソフトをPCにインストールします。
SDカードにOSをインストールする場合はUSBカードリーダーにSDカードを入れPCのUSBに挿します。
SSDにOSをインストール場合はSSD 外付けケース-M.2 NVME/PCIE を使います。
Raspberry Piのダウンロードページは以下の画面です。
Windows版ダウンロードを選択します。
PCにRaspberry Pi Imagerをインストールします。

使用するラズベリーパイOSの決定
Raspberry Pi OSは、32bit/64bitの違い、Debianバージョンの違い(TrixieやBookworm)、デスクトップ環境のあり/なし、バンドルソフトのあり/なしから12種類ほど存在します。
以下のURLにアクセスすると、12種類のOSを確認できます。https://www.raspberrypi.com/software/operating-systems/
Raspberry Pi 5の力を最大限に引き出すには、2025年11月時点で最新版である、以下の64bit・Trixie・デスクトップあり版の使用をおすすめします。
ダウンロードしたOSイメージ圧縮ファイル(.xzファイル)は解凍する必要はありません。
ダウンロードしたファイル:2025-11-24-raspios-trixie-arm64.img.xz
このimgファイルをそのままmicroSDのディレクトリにドラッグ&ドロップしただけでは、ラズパイからOSとして起動することはできません。
Imagerを使用して書き込みを行います。Imagerは.xzファイルの解凍、.imgファイルの展開と配置を両方やってくれます。
インストールが終わりましたらそれを実行します。
「Device」はRaspberry Pi5をクリックします。

ここから書き込みを行うOSを選択することもできますが、既にOSイメージをダウンロード済みなので、下までスクロールします。
「カスタムイメージを使う」をクリックします。

新しいウィンドウが開くので、ダウンロードしておいてたラズベリーパイOSの.xzファイルを選択して開きます。

Mass Strage Device USB Device(SDカード)を選択し、「次へ」クリックします。

「WRITE」をクリックします。

「I UNDERSTAND,ERACE AND WRITE」をクリックします。

書き込みが開始されます。

書き込みが完了しました。

以上で、SDカードへのラズベリーパイOSのインストールは完了です。
次にSSDカードへのラズベリーパイOSのインストールをします。
USB SSDケースにSSDを入れPCのUSBポートにいれます。
同じ手順でRaspberry Pi OSをインストールします。
別の方法としてRaspberry Pi OS 付属の「SD Card Copier(SDカードコピー)」を使えば簡単です。
これは Raspberry Pi OS に標準で入っていてシステムごと丸ごとコピーできます。
「SD Card Copier」をインストールします。
イントトールしたらメニューに表示されます。
ターミナルで下記実行します。
sudo apt update
sudo apt install piclone

周辺機器を接続
はじめて電源を入れる前にマウス、キーボード、ディスプレイを接続する必要があります。
microSD、又はSSDカードをセットして電源を入れ起動させ、初設定を行わないます。
ワイヤレマウス、キーボードを使いました。
SSDカードで起動する場合はSDカードを外します。
下図はSSDカードで起動







以上で初期設定は完了です。
キーボード日本語入力
Raspberry Pi Imagerで書き込んだRaspberry Pi OSは、初回起動時は英語表示のままです。
日本語入力は、Fcitex5-mozcをインストールする必要があります。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
sudo apt install fcitx5-mozc
im-config -n fcitx5
システムを再起動(sudo reboot)すると使えるようになります。
Fcitxの設定
入力メソッドの設定をします。
キーボードを右クリックして「設定」を選択します。

キーボード – 英語(US)」を真ん中にある左矢印で外し、新たに右のリストから
「キーボード – 日本語」を選んで左矢印で左側に設定します。

以上で初期設定が終わりました。
次に防犯カメラ(tp-link C320WS)を監視する設定を行います。
VLCメディアプレーヤーをインストールします。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt install vlc
VLCがイントトールされました。
「サウンドとビデオ」→VLCメデイァプレイヤー」をクリックします。

VLCが起動しますので「メディア」→「ネットワークストリームを開く」をクリックします。
URLを以下の形式で入力
rtsp://ユーザー名:パスワード@カメラIPアドレス:554/stream1
stream1 = HD画質, stream2 = SD画質
ユーザー名、パスワード、カメラIP、アドレスはスマホのTapoカメラアプリで確認できます。

モニター画像です。

Raspberry Pi (OS) における Python 環境の基本
Pi OS(Raspberry Pi の公式 OS)には、 Python 3 が標準でインストールされています。
OS を入れた直後から python3 コマンドで Python を使えます。
さらに、Python のパッケージ管理ツールである pip も利用可能で、必要に応じてライブラリを追加できます。
Raspberry Pi OS に最初から含まれている、Python 関連アプリ/ツールとして以下があります:
Thonny — Python 用の統合開発環境 (IDE)。Raspberry Pi OS ではデフォルトでインストールされています。
初心者にも使いやすい設計です。
「プログラミング」→「Thonny」をクリックして下さい。

Pythonプログラムファイル Wating_List.pyを開きました。
Windowsで作成したものをRaspberry Pi (OS)用に一部変更したものです。

Wating_List.pyは過去にブログで紹介したものです。
参考にして下さい。
予約キャンセルが発生したらメールでお知らせがありそれから予約するのですがメールを見落としたり、対応が遅れて予約できないことがあります。 この予約を自動化できないかと考えPythonコードで作成することにしました。 Pythonは[…]
以上